害虫

　「黄泉がえり」の塩田明彦監督、宮崎あおい主演作品。
　堕落した日常→社会に向かって一歩前進する主人公→でもやっぱり馴染めず堕落→THE END。という典型的なパターンを踏襲した作品。
　この手の作品は嫌いではありませんが、退屈になりがちなので、何かひとつでも際立つ部分が欲しいもの。しかし、この作品での際立つモノといえば宮崎あおいだけ。演出は極力セリフを避けた淡白なもので、映像にもこれといって際立つシーンはありません。
　それが好みという人も中にはいますが、少なくとも一般大衆に受け入れられることはないでしょう。私もその一般大衆の中のひとりです。（演出が不出来ということではない）
　また、役者の演技もイマイチ。主演の宮崎あおいは良いとして、蒼井優やその他脇役の人たちは、もう少し何とかならなかったのでしょうか。結構豪華なキャストで攻めていますので、監督の演技指導の問題だと思います。（オチのキャシャーンが特に最悪）
　何かひとつでも"際立つ部分"があれば、傑作に成り得たかもしれないだけに、残念です。