アイ,ロボット 80点

 本当は、『LOVERS』を見たかったのですが、時間が合わず、先行上映が行われていたこの作品を見ることにしました。
 ウィル・スミス主演作品というと、『インデペンデンス・デイ』『メン・イン・ブラック』『バッド・ボーイズ』のような、いわゆるお馬鹿系の映画が多いという先入観があったので、全く期待せずに見ました。
 しかし、本編が始まったとたんに映画の世界観に引きつけられました。
 『タイタニック』のCGを担当したデジタル・ドメインによるリアルな2035年のシカゴ、そして『ロード・オブ・ザ・リング』で一躍有名になったウェタ・デジタルによる大量のCGロボット。どれもこれもが、大変完成度が高く、全く違和感のない仕上がりになっています。
 前半はアクションよりもサスペンスといった感じですが、『ロボット三原則』を利用した謎解きもなかなか面白く、ところどころ大規模なアクションも展開されるので、全く飽きることはありません。
 そして、何よりもすごいのは、ロボット開発者の自殺現場で発見された最新型ロボットNS5『サニー』。今まで、映画に登場するロボットといえば、『アンドリューNDR114』 のような着ぐるみが主でしたが、こちらはほとんどがフルCG。しかし、『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムの技術がそのまま使われているため、デザインもさることながら、非常に表情豊かで、感情移入がしやすくなっています。ゴラム同様、1体のCGキャラクターが、俳優顔負けの演技をしています。
 後半、謎解きが終わると、アクションが主になります。このアクションも並ではなく、CGのロボットと人間が激しく入り乱れ、どこをどう撮影しているかなど、素人目には全くわかりません。
 また、アクションシーンにはいろいろな映画へのオマージュ(悪くいえばパクリ)があります。スローモーションでの弾丸よけはもう驚かなくなりましだが、縦方向に360度回転するカメラアングルには正直驚きました。あれは確か、北村龍平が『あずみ』を制作する際に『世界で初めて』といばっていた手法です。
 とにかく、久しぶりにハリウッド映画でよい映画を見た気分になりました。SF映画としては、『ターミネーター』『マトリックス』の次くらいに面白い作品です。『ターミネーター』のような感動や『マトリックス』のような考えが180度回転してしまうような驚きはありませんが、とにかく単純に楽しめる娯楽大作となっていますので、絶対にオススメです。


 そんなわけで、面白い画像がありました。http://www.saturn.dti.ne.jp/~giccho/material/title27.jpg