2004年の映画総括

 大した数を見たわけではありませんが、ランキングのようなものをしてみたいと思います。
 ちなみに、2004年に見た映画は「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」「イノセンス」「CASSHERN」「世界の中心で、愛をさけぶ」「スチームボーイ」「スパイダーマン2」「アイ,ロボット「誰も知らない」「2046」「隠し剣 鬼の爪」「ハウルの動く城」「ゴジラ FINAL WARS」の12作品。

 もうこれしかありません。
 アカデミー賞11部門受賞というのはダテではなく、現在映画としてできることを全てやった作品であるといえるでしょう。
 要は、「指輪物語」を完全に映画化しただけでも、今年のベストムービーとしての価値があるわけです。
 演出、俳優の演技、音楽、アクション、視覚効果・・・、全てが今年のベストです。


 その他、次点として「ハウルの動く城」、次々点として「アイ,ロボット」を挙げます。
 「ハウルの動く城」は文春きいちご賞でワースト2に選ばれた作品ですが、私は好きです。木村拓哉ハウルは全く問題なく、倍賞千恵子のソフィーには少し問題はあったものの、他の声優も含めて十分合格レベル。きいちご賞では映像もダメと評価されていましたが、それは近頃のCGアニメの見過ぎ。今までのスタジオジブリ作品とはやや作風が異なりますが、手描き風にこだわり、CGの使用もほとんど気にならないレベルに仕上がっています。
 「アイ,ロボット」はSF映画として非常によくまとまっていました。アクションがメインかと思っていましたが、意外とサスペンス調に話は進んでいきます。アクションのほうは、ややいろいろな映画からパクってきているような箇所も見受けられますが、洗練されていて見ごたえがあります。そして何よりも、ロボット「サニー」の描写が素晴らしい。「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムのスタッフが制作したと思われるサニーのCGはまるで生きているようで、観客の感情を移入させるだけのクオリティを持っています。

 日本アカデミー賞では「解夏」でノミネートされていますが、私は未見なのでこちらで。
 作品自体の出来は糞でしたが、大沢たかおの演技は恋人を失った喪失感をよく表わしていると思います。


 次点で「誰も知らない」柳楽優弥大沢たかおにしようか迷ったのですが、どうも柳楽優弥の演技は演技として感じられないので。今後に期待です。
 そして、「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」のイライジャ・ウッド。指輪のせいでだんだんイカれていく彼の演技は必見です。

  • 最優秀主演女優

 女が主演の映画を見ていない・・・・・・。

 誰だよ・・・と言われそうですが、ゴラムのモーションアクター&声優です。
 スメアゴルの回想シーンで出演しているものの、「男優」として扱うかがまず問題ですが、CGキャラクターとはいえ1人の人間が声も動きも表情までも演技をしているのですから、男優として扱っても問題ないでしょう。
 まずあの声を出せることがすごいのですが、それ以外にも人間でないキャラクターの演技をするのは大変なことなのに、見事にゴラムを演じきっている点を評価したいと思います。


 次点で「CASSHERN」の唐沢寿明。主演でキャシャーン役の伊勢谷友介より魅力的でした。ハマリ役です。
 また、「ゴジラ FINAL WARS」の北村一輝も捨てがたいです。

 セカチューです。作品としての出来は糞なセカチューです。
 アキのキャラクター設定が原作と違うのに違和感を感じましたが、その点に目をつぶれば長澤まさみの演技は素晴らしいです。
 空港のシーンで「次はないの」。声がいい感じの女優です。


 次点で「誰も知らない」のYOU。あの演技(?)は彼女にしかできません。
 そして「2046」のチャン・ツィイー。今までとは違う彼女を見ることができます。

 3作った熱意だけでも最優秀です。


 次点で「スパイダーマン2」のサム・ライミを挙げておきましょう。続編なのに非常によくできている作品に仕上げています。
 そして、「CASSHERN」の紀里谷和明。熱意だけはピーター・ジャクソン並なので。

 3作まとめて拍手を送りたいです。
 ピーター・ジャクソン監督の音楽の入れ方も最高でした。


 次点で「イノセンス」の川井憲次。彼の音楽では毎回、良い意味で裏切られます。。。

 三脚を使わない撮影は嫌いですが、本当に綺麗を撮っています。
 あのような色使いはフィルムカメラでないと不可能だと思います。
 ご冥福をお祈りします。


 次点として「誰も知らない」山崎裕是枝裕和監督の力が大きかったのでしょうが、ドキュメンタリータッチな映像は優しい雰囲気を出していますが、写っている映像は残酷です。

 リアルという点においては勝っている作品がほかにもありますが、使い方という点においてはピカイチ。色調補正などにより「美しいCG」に仕上がっています。


 次点で「スパイダーマン2」と「アイ,ロボット」。どちらも非常に完成度が高いCGです。

 もともとはホアキン・ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」ですが、川井憲次がうまくアレンジして伊藤君子の綺麗な歌声で生まれ変わっています。

 賛否両論ですが、総じて原作よりは評価が高いのは本当に驚きです。
 原作のままでは映画化が不可能なのはわかりますが、それにしても作品として安っぽ過ぎ。
 俳優の演技や篠田カメラマンの映像は本当に素晴らしいのに、陳腐な脚本と小うるさい音楽のせいで全てがダメになっています。


 次点で「2046」。悪い映画ではないのはわかりますが、私の好みからはかけ離れているうえ、詐欺ともいえる宣伝方法は本当に腹立たしいです。

 滑舌、悪いよね。


 次点で「ゴジラ FINAL WARS」の松岡昌宏。"俳優ではない"という観点のもと、ワーストからは外しましたが、映画俳優としては安っぽいです。

 ウルサイ、本当に。あれなら音楽など無い方が良いです。

  • アニメについて

 良いほうから並べると、
ハウルの動く城イノセンススチームボーイ
 といった印象。スチームボーイも十分合格レベルですが、ほかの2作品と「AKIRA」が良過ぎます。